実は、私は英語も教えていますので、よく「リスニングの英語が速いので聞き取れなくて困っていますが、どうすればよいでしょうか」という相談を受けます。この問題に対する私のアドバイスも「発想の逆転」です。とにかく速く話す練習をするのが、すばやく聞き取るための近道なのです。

 

かなり画期的な指導法ですね。

 

当然、普通の練習の方法でもリスニングの聞き取りは上達しますが、何度も聴くだけという方法では短時間に効果をあげることはできません。効果を実感するまでに2~3ヶ月くらい時間がかかります。

 

緒方流はどうするかというと実にシンプルです。まず、入試の過去問を1年分解きましょう。そして速さを実感してください。次に、解説のページに放送原稿が載っていますから、その英文をひたすら速く読んでみましょう。たったこれだけで、聞き取りの能力が確実にアップします。

 

ポイントは切れ目です。ほんのわずかのすき間をどこでとっているのかよく聞いて、真似をしながらとにかくすばやく口をまわしてください。この「すばやく口をまわす作業」が、脳の活性化にダイレクトにつながりますので非常に大切です。

 

また、声に出して読む作業は必ず3回以上してください。自分の声を自分の耳で聞きとって、自分の脳を反応させるためには、「声に出して読む」ことと「繰り返すこと」が重要だからです。

 

私たちはどうしてもインプット中心の勉強をしがちです。例えば「目で読む」「耳で聞く」ことばかりしていませんか。しかしそれではバランスがとれません。人間は一部の能力だけを都合よく短時間に変えることは難しいからです。ということは「手で書く」「口で話す」というアウトプットの勉強とバランスをとらなくては偏った勉強になってしまい、十分な効果が得られません。

 

文章と同じように、録音した音源の場合は「消えない」「何度も聞くことができる」という利点がありますので、その特徴を最大限活用して、すばやく聞き取る練習をしてください。

 

★よくわからなくなってしまっても、戻ってやり直そうとしない人は要注意です。

 

この記事を書いた人

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緒方克彦
担当科目:英語・国語
担当校:伊勢原校・成瀬校

理系が得意な私は医学部志望でしたが、小学校の教師になるために文系に転向して初等教育学科に進学。なぜか新聞社の内定をもらいましたが、選んだ道は塾講師。それから早30年。人生、何があるか分かりません。だから、若いうちは幅広く勉強することが大切だと思います。いろいろなことを吸収して、自分を磨きましょう。