国語科の緒方です。
みなさんは「からたちの花」という詩をご存知でしょうか。北原白秋の書いた作品です。山田耕筰が曲をつけて1925年に発表されました。
北原白秋と山田耕筰は雑誌「詩と音楽」を創刊するなど親交があり、多くの歌曲を共作しています。そのような関係の中から生まれた一曲がこの「からたちの花」なのです。
からたちの花 北原白秋
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
からたちのとげはいたいよ。
靑い靑い針のとげだよ。
からたちは畑の垣根よ。
いつもいつもとほる道だよ。
からたちも秋はみのるよ。
まろいまろい金のたまだよ。
からたちのそばで泣いたよ。
■■■■■■ ■■■■■■■。
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
この詩は北原白秋の体験に基づくものと私は思っていましたが違いました。実は山田耕筰のことなのだそうです。耕筰は幼い頃養子に出され、活版工場で勤労しながら夜学で学びました。自伝の中で、「工場でつらい目に遭うと、からたちの垣根まで逃げ出して泣いた」と述懐しています。耕筰のこの思い出を北原白秋は歌詞にしたのだそうです。
【質問】 ■の部分の歌詞を考えてみてください。
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【ヒント】
からたちの花 北原白秋
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
からたちのとげはいたいよ。
靑い靑い針のとげだよ。
からたちは畑の垣根よ。
いつもいつもとほる道だよ。
からたちも秋はみのるよ。
まろいまろい金のたまだよ。
からたちのそばで泣いたよ。
みんなみんな■■■■■■よ。
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
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【解答】
からたちの花 北原白秋
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
からたちのとげはいたいよ。
靑い靑い針のとげだよ。
からたちは畑の垣根よ。
いつもいつもとほる道だよ。
からたちも秋はみのるよ。
まろいまろい金のたまだよ。
からたちのそばで泣いたよ。
みんなみんなやさしかつたよ。
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
いかがでしょうか。正解は「みんなみんなやさしかつたよ。」でした。もしかしたら、からたちの垣根のところで泣いている耕筰に優しく言葉をかける通りがかりの大人がいたのかもしれませんね。
私は、大切な人を亡くして泣いている自分の姿を重ねてこの詩を読んでしまいます。そして、その度ごとに、私のことを思いやってくださった親戚、仲間、友人、知り合いの顔や言葉が次々に浮かんできて、泣いてしまいそうになるのです。
からたちのそばで泣いたよ。
みんなみんなやさしかつたよ。
僕の中ではこの二行はもう完全に世界文化遺産です。
この記事を書いた人
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担当科目:英語・国語
担当校:伊勢原校・成瀬校
理系が得意な私は医学部志望でしたが、小学校の教師になるために文系に転向して初等教育学科に進学。なぜか新聞社の内定をもらいましたが、選んだ道は塾講師。それから早30年。人生、何があるか分かりません。だから、若いうちは幅広く勉強することが大切だと思います。いろいろなことを吸収して、自分を磨きましょう。
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