以前のブログの記事ですが、少し直してこちらにも載せたいと思います。読んだ記憶がある方は、すみませんが、もう一度お付き合いください。
テレビで、元NHKアナウンサーの鈴木健二さんがしていた話です。鈴木さんの著書の最新刊「心づかいの技術」にも取り上げた内容だそうですが、「現代社会は何でも便利になった反面、失うものも多く、学問の世界でも、もう一度原点に立ち返って紙と鉛筆だけで創造するところから始めよう」とする動きがあるそうです。いや、実はこの言葉は今から五十年も前に、学問の世界では提言されているそうです。何でも機械任せにしてしまうのではなく、自分の頭と自分の手だけで学問をする時間を取らないと頭脳が退化してしまうのでしょうか。
また、岡崎稔さんの著著に「紙と鉛筆と計算機でノーベル賞 福井謙一教授の常識を覆す思考法」というのがあります。紙と鉛筆だけではすまない時代に来ているのは確かですが、それでも同時多発的に同じような提言が繰り返されるのは何か原因があるのでしょうか。そういえば、この本の帯には、気になる三つの言葉が大きく書かれていました。「自分で考えろ!」「理屈を生み出せ!」「全体像をつかめ!」。ということは、この言葉が出てくるあたりに、現代の日本の問題点があるのでしょうか。現代人は機械に頼ってばかりで「自分で考えようとしない」「理屈を生み出せない」「全体像をつかめていない」。確かにこれでは問題です。
もう一つ、最近読んで感動した文章ですが、出版されている本ではなく、「九州大学生物防御医学研究所 細胞機能制御学部門 分子医科学分野」のホームページの中の中山敬一教授からのメッセージでした。ぜひパソコンで「教授からのメッセージ─九州大学生物防御医学研究所」を検索してみてください。途中で出てくる「研究者の資質は論理性である」という言葉などは、シンプルなだけに印象深いです。「君たちに伝えたい3つのこと─仕事と人生について 科学者からのメッセージ」という中山教授の本もダイヤモンド社から出ています。
私は国語の担当ですが、国語の世界では相変わらず紙と鉛筆だけ…。まあ、資料の整理や論文を書くのにコンピュータを使うのが当たり前になったとはいえ、まだまだ機械化・IT化が遅れている分野ですね。まあ、子供たちはゲームだ携帯だと機械ばかりいじって、あまり本を読まないと思いますので、紙に書かれた文字を読んで感じ、考え、手で文を書くという行為に真摯に取り組んで、原点回帰をはたしてもらいたいのですが。
まずは、リアルなスタンプ(切手)を貼って、リアルなメール(郵便)を送ることから始めてみてはいかがでしょう。手で文字を書いて気持ちを伝えるのは、素晴らしい行為であり、いつまでも残したい文化だと思います。
この記事を書いた人

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担当科目:英語・国語
担当校:伊勢原校・成瀬校
理系が得意な私は医学部志望でしたが、小学校の教師になるために文系に転向して初等教育学科に進学。なぜか新聞社の内定をもらいましたが、選んだ道は塾講師。それから早30年。人生、何があるか分かりません。だから、若いうちは幅広く勉強することが大切だと思います。いろいろなことを吸収して、自分を磨きましょう。
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