合格基準で不合格に…県立高選抜4割で採点ミス

 

神奈川県教委は11日、2016年度の共通選抜試験を実施した県立高校139校の4割にあたる57校で、計108人に採点ミスがあったと発表した。

 

このうち横浜市内の高校では、合格基準に達していた女子生徒1人を不合格としていた。

 

記者会見した桐谷次郎教育長は、「入学者選抜は公正、厳正に行わなければならない。採点の誤りは誠に申し訳なく、事態を重く受け止めている」と謝罪した。

 

県教委によると、今月7日、1校で、受験者からの答案用紙の開示請求により、1人の答案に採点ミスがあったことが判明。これを受け、県教委は試験を実施した全校に全教科の答案の再点検を指示した結果、多数の採点ミスが見つかった。

 

内訳は全日制56校、定時制1校。ミスの内容は、設問ごとの採点小計の計算ミスが104件、合計の計算ミスが4件だった。最大で11点が加点されており、1校では、本来不合格の男子生徒の点数を5点加点して合格としたため、本来合格していた女子生徒が不合格になっていた。2人とも合格者にしたという。

 

採点は複数の教員で確認しているが、ミスには気づかなかったという。

 

一方、川崎市教委も11日、市立高3校の受験者3人について採点ミスがあったと発表した。うち1人は、本来合格だったのを不合格にしており、学校側は改めて合格とした上で本人に謝罪した。

 

市教委によると、本来合格だった1人については、答案用紙の小計の計算を誤り、2点低くしていた。ほかの2人は合否に影響がなかったという。市教委は、市立高受験者全員の答案を再確認するとしている。

 

横須賀市立横須賀総合高校の入試でも、受験生4人の採点や集計にミスが見つかった。合否に影響はなかった。

 

読売 on line  2016年03月12日 11時34分

 

やはり、そうなりましたか。一年に一回しかしないことを たいして練習もしないでぶっつけ本番ですれば、ミスもするでしょう。我々は年間に何度も模擬試験の採点をするので、ミスをしないで迅速に採点するために不可欠なのは「詳細な採点基準」であることを痛感しています。私は、かなり時間をかけて国語の採点基準を作成しています。

 

ところが入試の場合、事前に問題は手に入りませんので短時間で採点基準を作らなくてはなりません。おそらく当日、初めて問題を見るのではないでしょうか。ですから、よくよく考えられた詳細な採点基準などできるわけがないのです。それなのに県教委は採点基準については各高校に一任しています。こんなにミスが出るということは、各高校が作っている採点基準もあやしいものです。

 

しかし小計の計算ミス、合計の計算ミスって何ですか。実にレベルの低いミスですよ。それが県下の4割の高校であったなんて驚きです。というよりショックです。そんなミスのおかげで不合格にされてはたまりませんね。

 

ペンゼミでも入試得点や面接得点の自己開示を請求する生徒が多くなりました。しかし、これでは高校側の採点ミスを発見できません。

 

ですから、この記事の女生徒のように、答案用紙の開示を請求する生徒が今後増えるのではないかと思います。ずさんな採点基準の高校もきっとあると思いますので、ぜひ、この制度を活用すべきだと思います。

この記事を書いた人

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緒方克彦
担当科目:英語・国語
担当校:伊勢原校・成瀬校

理系が得意な私は医学部志望でしたが、小学校の教師になるために文系に転向して初等教育学科に進学。なぜか新聞社の内定をもらいましたが、選んだ道は塾講師。それから早30年。人生、何があるか分かりません。だから、若いうちは幅広く勉強することが大切だと思います。いろいろなことを吸収して、自分を磨きましょう。